第5回:ドメインって何?
ドメインは人間に分りやすいものを。
第3回の時、ホームページに必要なもののひとつにドメインってあったけど、あれって必要なの?
はい。
ドメインは、インターネット上に設ける自分の土地(WEBサーバー)を人間が見て分りやすいものにするためにとても重要です。
なんで重要なの?
インターネットの世界では、通常WEBサーバーはIPアドレスによって振り分けられています。
(例えば”111.111.111.111”のような形です。)
ただ、この形ではそのWEBサーバーにどんなホームページが格納されているのかが分りにくいです。
そこで、WEBサーバーに人間が理解しやすい名前を付けます。
実際に以下の例をご覧ください。
yahoo JAPANの場合
ドメイン | https://yahoo.co.jp |
IPアドレス | https://183.79.135.206 |
う~ん、確かに…。
IPアドレスじゃあなんのホームページだかさっぱりわからないわ。
そうですね。
この点からもドメインの利用価値はお分かりいただけるかと思います。
ドメインで”ブランド力”強化
さらにドメインは、自社のブランド力を強化することもできます。
ブランド力の強化?
どういう事?
ドメインには、様々な種類がありますが、日本国内においては大まかに分けると以下の2種類になります。
jpドメイン | .jp、.co.jp、.ed.jp、.go.jp等 |
その他 | .com、.net、.info、.biz等 |
あ~、なんとなく見たことがあるわ。
でもどんな違いがあるの?
簡単に言えば.comや.net等は世界中の誰でも取得できるドメインで、.jpドメインは日本国内で取得可能なドメインとなります。
更に.jpドメインの中でも属性型.jpドメインは以下のように分類できます。
ドメインの種類 | 取得可能な組織・団体 | 主な取得先 |
---|---|---|
co.jp | 企業 | 株式会社、合資会社、相互会社、特殊会社、外国会社など |
ac.jp | 高等教育機関 | 大学、短大、高専、専門学校、大学校、職業訓練校など |
ad.jp | ネットワーク管理者 | JPNIC会員ISPのネットワークなど |
ed.jp | 学校 | 幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校、盲学校、聾学校など |
go.jp | 政府機関 | 省庁、国立研究所、特殊法人など |
gr.jp | 任意団体 | 法人格を持たない集団、団体 |
lg.jp | 地方自治体 | 地方公共団体、一部事務組合など |
ne.jp | ネットワークサービス | ネット接続サービス、ネット上のサービスなど |
or.jp | 非営利法人 | 財団法人、社団法人、宗教法人、NPO法人、協同組合、大使館など |
このように属性型.jpドメインは取得できる組織や団体が制限されているため、これらを使用してホームページを立ち上げることによりホームページの信憑性をより高めることが出来ます。
最近ではこれらドメインの種類も一般に認知されてきているので、例えば株式会社のオフィシャルホームページが「~.com」等で作成されている例は少なくなってきています。
(通常株式会社の場合、「~.co.jp」を使用します。)
そうなんだ~。
それなら、うちの会社でホームページを作るときは絶対「.co.jp」にするわ!!
IPの規格が変わると、ドメインはより重要に!
ドメインは今後ますます重要になってくると思います。
その理由はIPv6の登場に絡んできます。
来たわね。難しい専門用語。
もう驚かないわよ。それって何?
先のお話で、インターネット中に設ける自分の土地をサーバーだとご説明しました。
そして、その土地はインターネットの世界では通常IPアドレス(例えば”111.111.111.111”のような形)で認識されるとも説明いたしました。
そうそう、その時不思議に思ったの。
3桁が4つ集まった程度だったら電話番号みたいに覚えられそうだなって。
これならわざわざドメインを取らなくても、別にIPアドレスでもいいんじゃない?
ところが、そうはいかなくなってきています。
それはIPの枯渇問題です。
IPの”こかつ”?
IPがなくなっちゃうってこと?
現在一般的に使用されているIPはIPv4というものです。
このIPv4は32ビットを8ビットずつ4つに“.” (ピリオド)で区切った数値列を
“192.168.0.1”
のように10進数で記述します。
この方法で割り当てられるIPアドレスの数は、理論上約43億個ですが、今ではこの43億個を使い切ってしまう可能性が出てきています。
えぇ~!!
43億個のIPアドレスを使い切っちゃうの?!
そうなんです。
そこで、現在IPv6というIPアドレスの規格の導入が検討されています。
その規格ならIPアドレスは無くならないの?
IPv6は128ビットを16ビットずつ8つに“:” (コロン)で区切った数値列を
”ABCD:EF01:2345:6789:ABCD:EF01:2345:6789”
のような16進数で記述します。
それにより割り当て可能なIPアドレスは約340澗(かん)となります。
澗とは1兆の1兆倍なので、現状の43億個から比べるとほぼ無限に近い数のIPアドレスが割り当て可能となります。
すっごい数ね!!
ちょっと想像もつかないわ。
でも私は見逃さなかったわよ。
IPv6っていうやつではIPアドレスは
”ABCD:EF01:2345:6789:ABCD:EF01:2345:6789”
みたいなややこしい表記になるのね!
これじゃあ覚えきれないわ…。
そうなんです。
いままでは横着してIPアドレスでHPを公開等というケースもあったかもしれませんが、今後IPv6が導入されるようになれば、とても覚えきれるものでは無くなってしまいます。
そこで、ドメインの必要性が現在以上に高まると考えられます。