選挙におけるインターネットの効果を考える。
今週末に控えた衆議院選挙。
選挙期間中のインターネットでの活動が可能となった現在、その効果がどれほどのものとなりうるかを知りたい方も多いかと思います。
そこで総務省などの統計情報を元に、選挙におけるインターネットの効果を予想してみました。
まず、インターネット利用率を調べます。
ネットの特徴として、まずは自分から端末を使う必要があるため、日ごろからネットサーフィンなどを行う人たちがどのくらいいるのかを知るために最も良い指標だと思い、以下のページにてデータを確認いたしました。
総務省 インターネットの利用状況(平成25年度版情報通信白書)
なんとインターネットの利用者数は9652万人、人口普及率は79.5%だそうです。
国民全体の約8割の人たちがインターネットを利用してることになります。
これだけの人たちに自分をPRできるチャンスが生まれるのであれば、十分選挙でも効果はありそうです。
そして、端末別に利用状況を見ると、上位は以下のようなものだそうです。
自宅のパソコン | 59.5% |
携帯電話 | 42.8% |
自宅以外のパソコン | 34.1% |
スマートフォン | 31.4% |
自宅のパソコンに迫る数字を出している携帯電話(この中にはおそらくスマートフォンも含まれています)が気になります。
パソコンと同じくらい携帯電話・スマートフォンでのPRが重要であることがこの数値から分かります。
それでは、次に世代別のインターネット利用率を見てみましょう。
世代 | 利用率 |
20~29歳 | 97.2% |
30~39歳 | 95.3% |
40~49歳 | 94.9% |
50~59歳 | 85.4% |
60~69歳 | 67.25% |
70~79歳 | 48.7% |
80歳以上 | 25.7% |
※60代は60~64、65~69に分かれていたものを一つにまとめ、平均値を表記しました。
高年齢層もかなりインターネットを利用していることが分かります。
特に60代がこれだけインターネットを利用していることに個人的には驚きました。
次に年代別の人口を見てみましょう。
世代 | 人口 |
20~29歳 | 13,320,000人 |
30~39歳 | 17,253,000人 |
40~49歳 | 17,674,000人 |
50~59歳 | 15,632,000人 |
60~69歳 | 18,450,000人 |
70~79歳 | 13,649,000人 |
80歳以上 | 8,939,000人 |
※60代は60~64、65~69に分かれていたものを一つにまとめました。
それでは最後に世代別の投票率を見てみましょう。
(数値はもっとも直近の平成24年の衆議院議員選挙のものです。)
世代 | 投票率 |
20~29歳 | 37.89% |
30~39歳 | 50.10% |
40~49歳 | 59.38% |
50~59歳 | 68.02% |
60~69歳 | 74.93% |
70歳以上 | 63.90% |
以上で選挙におけるインターネットの効果を予想する数字は整ったかと思います。
それではいよいよ効果測定と参ります。
それでは人口に占めるインターネット利用者の予想数と投票率から見る投票者の数を算出し、インターネット利用者に占める投票者の割合を出します。
(かなり荒っぽい計算なのは重々承知しております。あくまで一例としてお楽しみいただければ幸いです。)
世代 | 人口 | インターネット利用者数 | 投票者数 | 割合 |
20~29歳 | 13,320,000人 | 12,947,040人 | 5,046,948人 | 38.98% |
30~39歳 | 17,253,000人 | 16,442,109人 | 8,643,753人 | 52.57% |
40~49歳 | 17,674,000人 | 16,772,626人 | 10,494,821人 | 62.57% |
50~59歳 | 15,632,000人 | 13,349,728人 | 10,632,886人 | 79.65% |
60~69歳 | 18,450,000人 | 12,407,625人 | 13,824,585人 | 111.42% |
70~79歳 | 13,649,000人 | 6,647,063人 | 8,721,711人 | 131.21% |
80歳以上 | 8,939,000人 | 2,297,323人 | 5,712,021人 | 248.64% |
※投票率は70代以上までの数値しかなかったため、80歳以上の部分でも同等の数値を使用しました。
予想通り、おもしろい結果となりました。
60代以上のインターネット利用者に占める投票者の割合は100%を越えました。
単純にこの数値だけを見ると、
「60代以上の投票者のほとんどはインターネット利用者である」
という推測も成り立つかもしれません。
これらの世代へのインターネットでのアピールも、この数値から見る限り有効かもしれません。
また、インターネット利用率が約90%にもなる50代以下世代の、インターネット利用者に占める投票者の割合の低さが見て取れます。
これはつまりインターネットで選挙や政治に興味を持ってもらい、投票所に足を向けてもらえる人かもしれない人たちが潜在的にいることを示しています。
例えば20代の場合インターネット利用率が限りなく100%に近いのに、投票者数の割合は約40%にとどまっています。
インターネットを上手く活用し、これらの世代にPRしていけば、選挙におけるインターネットの効果は上がっていくかと思います。
ただ、ここまで書いてきて、若い世代の投票率を上げるもっとも有効な方法が分かりました。
インターネット投票です。
50代以下の約9割が利用しているインターネットで投票を行うことができたら、投票率は飛躍的に上がり、ひょっとしたら日本の政治の仕組みまで変わってしまうかもしれません。
国民が政治に参加できる数少ない権利、選挙への投票。
今後もっと時代に即した変化が必要かもしれませんね。
追記:
今回記した内容は、あくまでWEB事業部の1社員としての私見です。